子どもには、自ら伸びようとする力があります。
私たちは半世紀を超える歩みのなかで、その力を信じ、見守り、支えてまいりました。
急かすのではなく、待つこと。
押しつけるのではなく、導くこと。
そして、一人ひとりの小さな変化を、見逃さないこと。
子どもがその子らしく育っていくために、ご家庭と心を合わせながら、大切な幼い日々を丁寧にお預かりいたします。
子どもと過ごす毎日は、楽しいことばかりではありません。思うように進まない朝も、何度言っても伝わらないもどかしさも、ひとりの時間が何よりありがたく感じられる日もあることと思います。
けれど、ふと振り返ったとき、小さな手を引いて歩いた朝も、泣いたり笑ったりしながら過ぎていった一日も、きっと、人生の中で二度と戻らない、かけがえのない時間であったことに気づくのではないでしょうか。
幼児期は、ほんのわずかな季節です。だからこそ私たちは、その一日一日を大切にします。
人と出会い、心を動かし、美しいものに触れ、友だちと関わり、できなかったことができるようになる。その小さな経験の積み重ねが、子どもの心と体を育てていきます。
ご家庭で大切に育まれてきたお子さまを、私たちは深い愛情と責任をもってお預かりし、保護者の皆さまとともに、その子らしい成長を支えてまいります。
1971年、青年 井澤昭が、川口で小さな幼稚舎をひとつ、自らの手で起こしました。それが、リズムのはじまりです。
働くお母さんと、家庭で育てるお母さん。当時、その間には深い溝があり、子どもは家庭の事情で、行ける場所が分けられていました。私たちは、その溝をつくらないことを、創設の決意としました。
子どもは、家庭の事情で分けられるべきではない。働くお母さんも、家庭で育てるお母さんも、同じ哲学のもとで、子どもをあずけられる場所が必要だ。
時代が、ようやくそれを言葉にしはじめています。けれどリズムは、創設のそのときから変わらず、夏休みも、冬休みも、朝7時半から夜7時まで、子どもを誠実にあずかり続けてきました。
これは、時代に合わせて始めた新しい取り組みではありません。
半世紀を超えて守り続けてきた、リズムの最も古い約束のひとつです。
「子どもが好きなことは、すべてお遊びです。
そして、お遊びこそが、学びです。」
一日のリズム、季節のめぐり。半世紀をかけて、子どもの日々のかたちを守ってきました。
足元に体を、その上に心を、頂きに遊びを。三角の形そのものが、子どもの育ちの順序を、そのまま表しています。
衣・食・住。子どもの毎日のいちばん基本のかたちを、しずかに守ってきました。
遊びは、子どもが幼児期にふさわしい形で、人生の基礎を総合的に学んでいる姿である。
子どもにとって遊びとは、余暇ではなく、生活そのものの中で行われる最も総合的な学びです。そこには、身体を使うこと、言葉を交わすこと、思いを伝えること、友だちと折り合うこと、そして自分の内にある想像の世界を形にすることが含まれています。だからこそ、私たちは遊びを軽んじません。遊びの中にこそ、幼児期の教育の本質があると考えています。
〇 △ □は、
子どもが世界を感じとるための、はじめのかたち。
リズム幼稚園・保育園の歩みには、音楽と教育を大切にしてきた歴史があります。
明治期、曽祖父・小林正二郎は、東京に日本初の国産ハーモニカ製造会社「小林鶯声社」を興しました。また、祖父・井澤武は弁理士として、「メロディオン」という商標の誕生に関わりました。子どもたちが音楽に親しむ入口に、井澤家は長く関わってまいりました。
父・井澤昭は、画家であり、教員でもありました。1971年、自らの手で川口の地に小さな幼稚舎を開いたことが、現在のリズム幼稚園・保育園の原点です。
園章に描かれた富士山と雲も、井澤昭が自ら描き起こしたものです。富士山は、古くから信仰の対象とされ、葛飾北斎をはじめ多くの芸術家にも描かれてきた、日本の精神文化を象徴する山です。その富士山を園章に掲げたところには、美しいものを大切にし、子どもたちの心に本物を届けたいという願いが込められています。
1973年には富士市に学校法人 井沢学園が設立され、1976年には岩槻にも学校法人 井沢学園が設立されました。また、1977年には富士市に社会福祉法人「鶏声会」が設立されました。
1971年に父が開いた川口リズム幼稚舎は、半世紀にわたり、地域の子どもたちの成長を見守り続けてきました。
そして2021年、その歩みを美園リズム保育園へと受け継ぎました。川口の地で育った子どもたちの日々の記憶は、いまも美園の保育の中に、静かに息づいています。
音楽、美術、教育。
リズム幼稚園・保育園は、これらを大切にしてきた歩みを受け継ぎながら、今日も子どもたちに「本物に触れる」保育を続けています。
曽祖父・小林正二郎が、東京に日本初の国産ハーモニカ製造会社を興す。
弁理士であった祖父・井澤武が、「メロディオン」という商標の誕生に携わる。
青年 井澤昭が、川口に小さな幼稚舎を自らの手で開く。リズム幼稚園・保育園の原点。園章の富士山と雲も、井澤昭が自ら描き起こす。
井澤昭が富士市に学校法人を設立。
岩槻にも学校法人 井沢学園が設立される。
鶯声社に敬意をはらい、鶏声会と名付けた。
半世紀にわたって地域の子どもたちを育んだ川口リズム幼稚舎が、その歩みを美園リズム保育園へと受け継ぐ。卒園された皆さまの記憶は、いまの保育のなかに息づいています。
子どもたちの一年は、季節とともにめぐります。入園の春から、修了の春まで。その一つひとつの行事が、子どもが自ら育っていくための、かけがえのない経験です。
メロディオンの家系が受け継ぐ、音楽の園のしるし。子どもたちが奏で、うたう一日。
走り、跳び、力を合わせる。一年の育ちが、いちばん大きく見える日。
習字に、リトミックに。「本物」に触れる毎日を、保護者の目で確かめる。
夏の軽井沢。年長の子どもたちは、リズム軽井沢荘で二泊三日の体験合宿を過ごします。
新幹線に乗り、山の空気を吸い、ブルーベリーを摘み、夕暮れにはキャンプファイヤーを囲む。夜は、友だちと並んで眠ります。
家を離れて過ごす二晩は、子どもたちにとって、小さくて大きな冒険です。お母さんに会いたくなって涙することもあります。けれど、その涙もまた、自分で越えていくための大切な経験です。
帰りの駅に立つ子どもたちの顔には、出発の日にはなかった、少し誇らしげな表情があります。
軽井沢での三日間は、半世紀を超えて続く、リズムの大切な夏の行事です。子どもたちが、自ら育とうとする力に出会う時間でもあります。
朝7時30分から、夜7時まで。
夏休みも、冬休みも、春休みも。
リズムは半世紀前から、働くお母さんと子どもたちの毎日を支えてきました。
これは、新しく始めたサービスではありません。
ご家庭に寄り添い、お母さんが安心してお仕事に向かえるようにすること。
それは、リズムが長い年月をかけて守り続けてきた、最も古い約束のひとつです。
リズムは、今日も、子どもたちの大切な一日をお預かりしています。
理事長として、入園をお考えのご家庭に、はじめにお伝えしたいことがあります。
子どもを育てるのは、幼稚園だけではありません。家庭だけでも、また足りません。幼稚園と家庭は、車の両輪です。二つの輪が同じ方向へ回ってこそ、子どもははじめて前へ進んでいけると、私は考えています。
だからこそ私は、園にお預けいただくだけでなく、ご家庭にも、いくつかのことを分かち合いたいと願っています。難しいことではありません。日々の暮らしの中の、小さな心がけです。
何を、どのように食べるか。食卓は、家庭にしかできない、最も日常的な教育の場です。食育を、どうか大切にしていただきたいと願います。
鉄棒は、簡易なもので構いません。近所の公園でも十分です。体を動かすことが暮らしの中に当たり前にある ── その入口が家庭にあることを、私は願っています。
どこへ出かけるかではなく、どう過ごすか。その一日の密度を決めるのは、行き先の華やかさではないと、私は思っています。
そして子どもたちには、小さくてよいので、自分で目指すものを持ってほしい。目標をもつこと ── それは、私たちが園で大切にしている「自ら育つ」力の、ご家庭での姿にほかなりません。
学校法人 井沢学園 理事長井澤士郎どの扉も、リズムの中につながっています。